日本氷上スポーツ学会設立イベントに行ってきた!

2019年1月4日・5日、栃木県日光市にて行われた日本氷上スポーツ学会設立総会・記念講演会に参加してきましたので、レポートを備忘録として書いておきます。

(なお、記念講演会の詳細なレポはすでに多くの方があげているようなので、そちらをご覧頂くのが良いと思います。)

学連のHPで学会設立を知る!

最初にこの学会の存在を知ったのは学連のホームページを見たときでした。

フィギュアスケートのバイオメカニクス研究でコンスタントに論文執筆や発表を行っている人が国内でいらっしゃらなかったので、このような学会ができることは非常に楽しみでした。

インカレとともにイベントが行われるとのことだったので、会員になることにしました。このときで会員管理番号は8番でした。一桁いえーい!

記念講演会に町田樹さん登壇とのお知らせ!

登録を済ませ少し経ってから、会員向けに設立総会と記念講演会のお知らせメールが届きました。このときにはまだHPには詳細まで書いてなかったと記憶しています。

なんと研究者の立場で町田樹さんが講演を行うとのこと。僕自身はマネジメントが専門ではないですが、どのような研究をしているのか非常に興味がありました。

てことでtwitterでつぶやいて見ると、あれよあれよと拡散。。。

これ別につぶやいても大丈夫だったよね…?っと何度もHPやメールに目を通しました笑 (問題なかったはず、、、) わかってはいるが恐るべしtwitter…

いざ総会・記念講演会へ!

会場である日光市日光総合会館に到着すると、ファンと思われる方が多数入場待ちをしていました。

それに対して学会会員の出席者は設立準備委員メンバーも含めて30名弱ほど。。。総会では会員名簿が配られましたが、総勢50名弱という数でした。

総会では規約の確認、役員の承認、研究大会のアナウンスなどが行われました。また、会員主体で研究プロジェクトを行う『研究部会』構想のお話も。

一学生の身分ではできない研究ができる機会がありそうで非常にワクワクしております。

記念講演会では専修大学名誉教授の前嶋孝先生と慶應義塾大学・法政大学非常勤講師の町田樹先生の2名が登壇されました。

スピードスケートの科学と実践

前嶋先生は1964年、まだスポーツに科学が入ってきていなかった時代から科学的な研究を指導現場に取り入れていた方でした。

たくさん面白い話があったのですが、気になったポイント1つを抜粋して取り上げます。

なお、講演内容は先生の最終講義の短縮版と思われます。(twitterで発信頂いた方に感謝です!)

研究室のデータは役に立たない!

自分が競技を行っている間疑問に思っていたことを明らかにするために、多様なデータを取得分析していた前嶋先生(酸素摂取量、筋電、足圧など)。その分析結果をスケート連盟に随時報告していたそうです。

が、役に立たないデータだなぁ…と現場からは一蹴。。。

今度は自分が研究をしながら指導する立場となり、研究結果を取り入れようと試みましたが、同じく研究室の結果がそのまま指導現場に役立つことはほとんど無いことを痛感したそう。。。

研究室での結果をそのまま取り入れるのではなく、現場からのアイディアや考えとすり合わせるという工夫をしなければ活用できないと仰っていました。

前嶋先生はその後見事教え子をオリンピックでメダルを取るまで成長させられました。僕自身も知見を現場に還元させることをゴールとして研究を続けて行きたいと強く感じている次第です。

氷上スポーツを未来へつなぐ

頑張って140字でまとめるとこうなりました。笑

大きく論点は次の2つだと思っています。

不安定な産業構造をしている氷上スポーツ

町田先生は平成とともにフィギュアスケートを含む氷上スポーツがどう変化してきたかに着目。

特にフィギュアスケートは一見隆盛期にもみれるほどの人気・活躍となったが、産業構造は非常に不安定だと指摘。

具体的には、スポーツ産業の各ステークホルダーの構造を

  1. スポーツを利用し経済活動を行うことで広く一般に広める”前方リンゲージ
    例)メディア、エージェント、ブランドライセンスなど
  2. スポーツの直接の担い手である”プロデューシングセクター
    例)競技者、指導者など
  3. スポーツの生産基盤をつくる”後方リンゲージ
    例)用品・施設・統括組織など

の3つの領域に分けて可視化。この3つがうまく連携して機能していると産業はうまくいくと言及。

氷上スポーツの場合は2(競技スポーツとしてはマイナー、指導者も少ない)3(特にスケートリンク数が激減)が脆弱。1だけが肥大化して強い。(※これは特にフィギュアの話だと思ったりもしますが、、、)

という不安定で脆弱な産業構造になっているという問題点を指摘しました。

他の氷上種目については詳しくわからないのですが、フィギュアスケートに関していえば本当にそのとおりなのではないかと思います。。。

昨今は部活動でも部員の数が増え、練習時間と場所の確保が大変なんですよね。

競技する側の視点では間違いなくマイナースポーツだと思います。

産業構造の問題だけでなく様々な問題を解決するために学会が果たすべき3つの横断性を提言

上記の問題だけでなく様々な問題に対していち早く対応し、氷上スポーツの繁栄に寄与するために、氷上スポーツ学会のように横断的な学会が設立された意義は非常に高い。

その上で、

  1. 種目横断型
    実は他のスポーツと連携を取ることは難しい。氷上スポーツ学会が全ての氷上スポーツのハブになるべき。氷上スポーツは皆運命共同体!
     
    ※僕の所属している大学ではスケート部はホッケー、フィギュア、スピードの3つの部門で構成されていました。町田先生も笑いを誘っていましたが、現役時代に僕も他部門と深い交流をしたことがありません。ホッケーの早慶戦や新歓、送別会などのイベントくらいかな。。。
  2. 分野横断型
    分野ごとに別れている学会もあれば種目ごとの学会もある。種目ごとの学会(例)スキー学会、テニス学会 では多様な分野からのアプローチで論文投稿があり、氷上スポーツ学会も学際的な研究を目指すべき
  3. 立場横断型
    研究者のための閉ざされたコミュニティではなく他の立場の人(選手・指導者・一般の人)も集える場にしていくべき。学術論文だけでなく、実践の場に成果を還元していくために社会に発信することを常に意識。

上記3つの意味で横断型組織であることが必要であると提言。

まさに!という感じ笑 本当に素晴らしい内容だったと思います。

最後に、、、

言及をするか迷うところですが、講演中の一般参加者の方の対応は(僕の見える範囲に限れば)素晴らしいものだったと思います。

会員と一般参加者は席の区画が別だったのですが、前嶋先生の登壇中もアカデミックな内容にもかかわらずうんうん頷きながら興味深く話を聞いている様子が伺えました。反応も正直なところ会員より良かったと思います。

また、持ち時間をオーバーしながら、もう少し時間をくださいとお願いする前嶋先生に対しても自然と暖かい拍手が上がったのは感動しました。

講演後の”居残り”を過度に問題視したり、そもそも一般人が行くのは、、、などもあるようですが、、、

会場は特に退出を促されたわけでもなかったかと思いますし、学会会員達もこのあとどう動けばいいの?というような全体的に”ふわっとした感じ”の運営だったことは否めません。

そんな”空白の時間”でしたので、少なくとも今回に限っていえば常識の範囲内ではないかと思ったのですが、どうなんでしょうか?笑

実際、一般の方の居残りを問題視する声を主催者側から聞くこともありませんでした。

すごい人気だなーと驚いていたくらい。

夜に行われた懇親会では、これだけ人が集まったことに対して興味を示し、次はこんなことをやってみたら面白いのでは?と皆で色々アイディアを出していました。

僕は役員でもなんでもないのですが、一会員としては学会の盛り上がりに寄与して頂いたことに感謝する立場が適切なのではないかと思いますし、あらぬ誤解から一般の方の参加が遠のくことは避けるべきではないかと感じ、ここで言及させていただきました。

もちろん係員の指示があったのならそれに従うべきだとは思いますけどね!

あとホッケー関連で気になっていたこれ。

聞いてみたら、特に研究用途じゃなかったみたい笑。深読みしすぎました、、、
でも要望があればやってみてもいいかもね!とのことでした。

いずれにしても学会の今後に期待を持てる良い会でした!研究大会で発表はするつもりです!乞うご期待!

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