Paper Reading

The effects of new Edea and Graf figure skating boots and used Graf boots on the kinetics and kinematics of landing after simulated on-ice jumps

Paper Readingはほぼ自分用の簡易的な論文まとめです

・論文基本情報

The effects of new Edea and Graf figure skating boots and used Graf boots on the kinetics and kinematics of landing after simulated on-ice jumps(2019)

Ondrej Spiegla, Olga Tarassovaa ,Anton Arndt

The Swedish School of Sport and Health Sciences

Footwear Science, 2019 Vol. 11, No. 2, 121–129

・どんな論文か

3つの種類のスケート靴の違いによって、ジャンプの衝撃に影響を与えるかを明らかにするもの。

・先行研究との差分(新規性)

先行研究により、スケート靴と怪我の関連性が指摘。特にスケート靴の硬さとかかとの高さが着氷の衝撃を吸収する能力を制限している。

スケート靴の違いによる着地衝撃の影響を調べる

  • 新品のGraf Edmonton Special Classic(NG)
  • 使用済みのGraf Edmonton Special Classic (OG) 1年間使用(約500時間)
  • 新品のEdea Concerto (NE)

・手法概要

・被験者:競技スケート歴6年以上の12名の男性フィギュアスケーター

・スケート靴:グラフ(新・古)とエデア(新)のシューズを使用、ブレードは全てJackson ultima Matrix Supreme light blade

・12台のモーションキャプチャーシステム(Qualisys 250Hz)を使用してデータ取得。反射マーカー66個。

・プラスティック製の人工リンクの下にフォースプレート(2500Hz)を設置、靴内に側圧計(250Hz)を入れ、両方で地面反力を計測。

・高さ30cmのボックス(B1)と50cm(B2)の両方で半回転ジャンプを実施。

・分析項目

  • 着地の際の最大垂直地面反力(VGRF)
  • スケート靴内底力(PF)Pedar Insole・fore foot ・med・rear
  • 接地からピークまでの時間(TPF)

・Shapiro-Wilks検定で正規性を検定した後、ノンパラメトリックWilcoxon検定またはT検定のいずれかを有意差の検定に使用。有意水準は0.05。

・結果

 

・Peder insole

  • NewgrafとNewEdea間でB1B2ともにPFグラフのが有意に大きい
  • NGとNEでB2のTPFがグラフでNGが有意に長い(pedar midでも同じ)

・Peder mid

  • B2のPFはNGがOGより有意に大きい
  • B1・B2ともにTPFがNGのがOGより有意に長い

・Peder rear

  • B1・B2ともにTPFがNGのがOGより有意に長い

全体的に見ると、B1よりもB2の方が着地の反力が大きく、B2の着地のほうがTPFが減少する傾向。

 

  • B1B2ともに着地時(Initial contact時)の足首の背屈がNEに比べてNGが有意に大きいPeak時も同様に大きい。
  • B1B2ともに着地時の膝の屈曲がNEに比べてNGが有意に大きい。
  • B2からの着地ではOGのほうがPeak時の膝の屈曲が大きく、足首の背屈のTPが長かった。
  • 全体的にB2からの着地はB1からの着地に比べて有意ではないもののピーク時の屈曲角が増加傾向。

 

  1. NEのほうがNGよりもPFが有意に小さい
  2. OGのPFはNGと有意差がなかった
  3. OGのピーク時の足首の屈曲角度はNGと比べて有意差がなかった

・議論

・NEスケートのパッドが大きいにもかかわらず、NEスケートのブーツ・アッパーの柔軟性が高いほど、NGおよびOGスケートに比べて足首のROMが大きくなったため、アッパーの前後方向の柔軟性とスケートの構造が、より大きな足底屈曲を可能にすることで衝撃力を減少させるのに役立つ可能性があることを示唆

・NEの内側のPFが低い原因として考えられるのは、NEの足底屈曲と膝伸展が著しく大きいために着地後のROMが大きくなり、結果、身体のセグメンテーションがより緩やかに減速された可能性。また、NGとOGではICでの膝の屈曲が大きく、残りの利用可能な膝ROMが限られているため、より硬い着地戦略を誘発した可能性

・NGおよびOGにおけるICでの膝の屈曲が大きいのは、ICでの足底屈曲を制限する大きな剛性が原因である可能性がある。

・エネルギーを放出する下肢の能力は、膝のROMが限られていることによって低下している可能性があり、これがNGおよびOGのPFが大きいことを説明すると思われる。

・B2からの着地衝撃時には、NGのTPFはNEよりも長かったが、これはNGスケートの踵の高さが低いことが原因であると考えられる。TPFが増加しても、NGの内側のPFはNEに比べて減少しなかった。

・着地衝撃時のPFの低減には膝よりも足首の屈曲とROMの方が重要な役割を果たしている可能性を示唆。

・着地衝撃時の足首の屈曲角度の違いは、ヒールの高さと硬さの違いによって説明できる可能性。NEはNG・OGに比べてヒールが1.1cm高い。NEの方がパッドが多いにもかかわらず、スケートの剛性が低いため、NGやOGに比べて足の柔軟性が高い。さらに、NGの内側に作用する力はNEより有意に大きいが、スケートとプラスチック製の氷面下のフォースプレートとの間に作用する力には有意な差がないことから、スケートの構造設計と材質が力の分散に寄与している可能性があると考えられる。

・その他

スウェーデンスケート連盟や関連会社・ショップの協力を得て実施

ABOUT ME
@hironowa_ru
修士まではスポーツバイオメカニクスを専攻。新卒で総合スポーツ用品メーカーに入社し、デジタル分野の新規事業開発に従事。現在は日本代表選手団に向けた映像分析サポートを行っており、大学院でコンピュータビジョンの観点からスポーツ映像解析の研究を行っている。
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