フィギュアスケート

ついに現れた!イノベーティブ(?)なコンビネーションジャンプ!

こちらの記事の内容を把握した上でお読みください

 

本格的なシーズンも近づいてきたので、ずーっと書きたかったフィギュアスケートについて書きます!

というのも、先日行われたネーベルホルン杯の男子SPプログラムで、ロシアの アルトゥール・ドミトリエフ選手が、今までにないイノベーティブ(?)なコンビネーションジャンプを跳んだのを見たからです!

 

ということで、、、まずはこちらを御覧ください。

 

 

この、コンビネーションジャンプ。

一見普通の3回転+3回転のジャンプに見えます。

フィギュアスケートに詳しくない方にとっては、

 

着氷もちょっと乱れてるし、何がそんなにすごいんだ?

 

と思うかもしれません。

 

ですが、これが物凄く画期的なジャンプなのです!おそらく試合で行われたのは世界初でしょう。

 

その秘密は最初のジャンプの着氷する足”にあります!

 

 

フィギュアスケートのジャンプの種類は、踏み切る際のエッジとトゥピック(スケートリンクにあるつま先のギザギザ)を使うか否かで、アクセル・ルッツ・フリップ・ループ・サルコウ・トゥループの6種類に分別されます。(後に下で簡単にまとめますので、読み進めてください。)

 

 

ですが、そのいずれにおいても、(回転が反時計回りの選手の場合)着氷は基本的には右足のバックアウトサイドになるのです。↓な感じ。

コンビネーションジャンプは降りた後すぐに続けてジャンプを跳ばなければなりません。

そのため二本目以降のジャンプは基本的に、右足のバックアウトサイドで踏み切るトゥループジャンプ、またはループジャンプに限られるのです。

 

しかし、動画のジャンプでは、左足のバックインサイドで着氷をしているのです!

 

ちょっとわかりづらいですが、左足着氷です。

 

こうすることで、二本目のジャンプに左足のバックインサイドで踏み切るサルコウジャンプフリップジャンプを持ってくることが出来るのです!

あくまでも理論上は。

 

なお、6種類のジャンプはそれぞれ難易度が決められており、同じ回転数であれば以下のような順番で得点が高くなります。

 

  • アクセル(A):フォアアウトサイドで踏切。唯一前向きで踏み切り、後ろ向きで着氷するため半回転多く回る必要があることから、通称◯回転半ジャンプと呼ばれる。
  • ルッツ(Lz):左足のバックアウトサイドで踏切。トゥをつく。
  • フリップ(F)左足のバックインサイドで踏切。トゥをつく。フリップとルッツは見分け、跳び分けが難しいです。
  • ループ(Lo)右足のバックアウトサイドで踏切。トゥをつかない。
  • サルコウ(S):左足のバックインサイドで踏切。トゥをつかない。
  • トゥループ(T)右足のバックアウトサイドで踏切。トゥをつく。

 

フリップジャンプループジャンプトゥループジャンプと比べて基礎点も高いため、コンビネーションジャンプの基礎点をあげることができるのです。

 

  • 3Lz+3T = 5.9 + 4.2 = 10.1
  • 3Lz+3Lo = 5.9 + 4.9 = 10.8
  • 3Lz+3F = 5.9 + 5.3 = 11.2

 

これまで意外と知られていなかったのですが、ジャンプの着氷の足は、実はどちらでも良いのです。

 

17-18シーズンからのルール

16−17シーズンからのルール(微妙に表記が異なります)

 

ただ、”間違ったエッジでの着氷”というのが少し難しいところですね。

過去ルールを見る限り、通常ジャンプはやはりバックアウトサイドが”正解”なのでしょうか、、、

 

昨シーズンまでのハーフループ、18−19シーズンからはオイラー(1Eu)も同じで、左足のバックインサイドで着氷します

ルール上同じジャンプを跳べる回数に制限があり、コンビネーションジャンプの幅を広げるために、敢えて左足インサイドで着氷する一回転ジャンプを挟んでいるのです

 

このような例外はありますが、フィギュアスケートのジャンプの回転は身体の右側を軸にして行うのが一般的です

右足に左足を巻き付け、両手を身体の中心に引き寄せることにより軸を出来る限り細くすることで、あの高速回転を可能にしているのです。

 

そのため、多回転のジャンプで、着氷に入る前の段階で回転軸を緩めながら左に軸を移し、そのまま片足で着氷することはひじょーーに難しく、また恐ろしいことなのです!

 

頭では考えたことがあっても、まさか試合でやってくる選手がいるとは思わず、とても驚いたジャンプでありました。。。

ただやっぱり加点があまり見込めないような気がしていて、3Lz+3Tと比較して1.1点の基礎点を上げるために、この技を試合(特にショートプログラム)で行うのが良いかどうかは疑問が残りますね、、、

今回のジャンプも加点は0.24点しかついていませんし。

いずれにせよ今後もこのジャンプがどう評価されていくのか、実に興味深いです!

 

ちなみに面白いコンビネーションジャンプ(?)の例では、小塚崇彦選手が以前エキシビでやっていた3S+逆回転の2Sというものがありましたね

 

ジャンプとジャンプの間にエッジの切り替えが入っているため、試合ではコンビネーションジャンプとは認められないと思いますが、こちらも非常に面白いジャンプの組み合わせです。

 

どうしても4回転に注目が集まりがちですが、このような違いに気がつくようになると、よりフィギュアスケートを楽しめるのではないかと思います!

引き続きフィギュアスケートについてもちょくちょく書いていけたらと思いますので、よろしくお願いいたします。

ABOUT ME
@hironowa_ru
修士まではスポーツバイオメカニクスを専攻。新卒で総合スポーツ用品メーカーに入社し、デジタル分野の新規事業開発に従事。現在は日本代表選手団に向けた映像分析サポートを行っており、大学院でコンピュータビジョンの観点からスポーツ映像解析の研究を行っている。
こちらの記事もおすすめ!
フィギュアスケート

朝日新聞記事から学ぶフィギュアスケート研究

3月 20, 2018
Sports Analytics Dr.(仮)
※こちらの記事の内容を把握した上でお読みください 物議を呼んだ朝日新聞記事 平昌オリンピック開幕の少し前1月18日、コアなスケートファンの間で5回転ジャンプの可能性について …
フィギュアスケート

【重要】フィギュアスケート関連記事を読む前の注意点と自身の考え方について

12月 1, 2018
Sports Analytics Dr.(仮)
先日フィギュアスケートファンの方からあるご意見を頂きました。大変貴重なもので、直接お礼を申し上げたかったのですが、記載のメールアドレスにメー …

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です